元素は、化学変化によってそれ以上分解することのできない物質の最小単位です。118の元素が既に知られていますが、すべてが自然発生するわけではなく、またいくつかは生き物に必須の元素です。生物は主に炭素、窒素、水素、酸素と少量のカルシウム、リン、カリウム、硫黄などの他の元素で構成されます。その他の元素もまた生命に必要ですが、ほんの微量です。
周期表は、物理的特性と化学的特性に基づき元素をまとめています。元素の原子番号は原子核に存在する陽子の数に対応し、周期表の四角形にはそれぞれ元素の名称、化学記号、原子量が記載されます。陽子の数は元素の大きさに関する情報を与えますが、これだけが周期表の構造の基となる組織的原則ではありません。元素は、反応性や最も外側にある電子の位置、特定の種類の結合を行う能力といった、その他の物理的特性や化学的特性に基づき、列(族) と行(周期) に並べられます。同じ族(つまり列)の元素は大きさが異なりますが、互いに共通する化学的特性を持ちます。対照的に、同じ周期 (つまり行) の元素は大きさが似通っており、電子が同じ場所に配置されますが、化学的特性は大きく異なります。
地球上のすべての生命は酸素、炭素、水素そして窒素の元素を含みます。より正確に言えば、人体の96%はこれら 4 つの元素で構成されています。残りの 4% は主にカルシウム、リン、カリウム、硫黄、ナトリウム、塩素、マグネシウムの順に存在相対量が多く構成されています。さらに、いくつかの元素は人間にとって必須ですが、0.01 % 未満の量しか体内に存在せず、微量元素と呼ばれます。微量元素はほんの少量しか存在しませんが、健康には重要です。例えば、鉄は赤血球で不可欠な役割を果たし、循環系全体に酸素を運搬できるよう酸素との結合を助けます。鉄が少なすぎると、鉄欠乏性貧血を引き起こす場合があり、酸素不足から生じる疲労、息切れ、脱力感、不整脈といった症状をきたしますい。
一部の元素は、少量で有害な健康影響を及ぼします。たとえば、水銀は重金属の 1 つであり、影響を受ける組織により少量で複数の症状を引き起こし、大量摂取で死に至らしめます。水銀は多細胞生物の組織に時間の経過とともに蓄積することがあるため、度重なる暴露が心配です。生物的方法(バイオレメディエーション)を使用して環境から重金属汚染を除去する新しい方法には、汚染物質の化学的性質と影響を受ける最初の生き物の生物学の両方を理解する調査が必要になります。重金属はしばしば、ヒトなどのより高い栄養段階の生物に影響を与える前に、一次生産者の段階で食物網に入りこみます。
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