生体の重量の約60%〜95%は水です。したがって、細胞内の水分バランスを適切に保つことは最も重要です。浸透とは、細胞膜などの半透性の膜を水が通過することです。生体内では、水は他の分子を溶かす溶媒として重要な役割を果たしています。
拡散も浸透も、エネルギーを必要としない受動的な細胞内輸送です。拡散とは、液体(溶媒)に溶けている物質(溶質)が、濃度の高いところから低いところへ移動することです。膜が溶質に対して透過性であれば、膜を介して拡散が起こることもあります。特定の溶質の通過を妨げる膜は半透膜です。半透膜が溶質の流れを止めている間、溶媒は自由に移動し、これは浸透と呼ばれるプロセスにあたります。
浸透は、半透膜の一方の側に、もう一方の側よりも多くの溶質がある場合に生じます。水と溶質の比率は浸透圧と呼ばれます。浸透の際、水は浸透圧の低い側(溶質に対し水の量が多い側)から浸透圧の高い側(溶質に対し水の量が少ない側)へと、両側の浸透圧がほぼ等しくなるまで流れます。例えば、外部に比べ内部の溶質濃度が高い場合、半透膜で囲まれた細胞には水が流れ込みます。
浸透圧のバランスが崩れると、細胞は膨張したり収縮したりします。この浸透圧不均衡や、その結果の危険な状況を防ぐメカニズムは、次のセクションで論じます。
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