地球上の植生の90%以上を占める維管束植物は、すべて根と芽が伸びる一次成長をします。また、木本植物をはじめとする多くの陸上植物は、根やシュートを太くする二次成長を行います。
一次成長と二次成長は同時に起こることがあります。一次成長が新しい領域で起こるのに対し、二次成長は一次成長が終わった領域で起こります。根の成長とシュートの成長は重なる部分と異なる部分があります。
頂端分裂組織は、根とシュートの両方の最初の成長を可能にします。つまり、シュートの最初の成長はシュート頂分裂組織で始まり、根の最初の成長は根頂端分裂組織で始まります。
根とシュートの頂端部の分裂した細胞は、同じ一次分裂組織である前表皮、基本分裂組織、前形成層に分化します。そして、これらの一次分裂組織は、根でもシュートでも同じ組織に成長し、前表皮、基本分裂組織、前形成層は、それぞれ表皮組織、基本組織系、維管束組織に成長します。
しかし、根とシュートでは作られる組織に違いがあります。根では、表皮に根毛があり、根の表面積のほとんどを占めています。また、一般的な顕花植物である真正双子葉類のシュートの基本組織とは異なり、根の基本組織は髄と皮層に分かれていないです。さらに、茎頂部には、葉を形成する葉原基が存在します。
一次成長に比べ、二次成長は根と芽の間でより類似しています。二次成長を可能にするのは、根や芽の長さに沿って走る2種類の側方分裂組織です。
維管束形成層は、一次木部と一次篩部の間にあり、根やシュートでは毎年、二次木部(木材)と二次篩部の層が作られます。
樹樹皮の構成要素であるコルク形成層は、維管束組織の外側にあります。根と芽の両方で、コルクとコルク皮層を生成し、表皮の代わりとなる周皮を形成します。
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