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化合物の中には、溶解したときに水分子と反応して水酸化物イオンを生成するものがあります。いずれの場合も部分的にしか反応しないため、弱塩基に分類されます。また、これらの化合物は自然界に多く存在し、さまざまな技術において重要な物質となっています。例えば、弱塩基であるアンモニアの世界生産量は年間100トンを超え、農業用肥料、他の化合物の化学合成原料、家庭用洗剤の有効成分などとして広く利用されています。アンモニアを水に溶かすと、部分的に反応して水酸化物イオンが生成され、以下のようになります。

Eq1

これは酸塩基反応であり、この場合は水分子からアンモニア分子へのH+イオンの移動を伴う。一般的な環境下では、溶存しているアンモニアのうちNH4+イオンとして存在するのは約1%です。

弱塩基性溶液中の水酸化物イオン濃度とpOH計算

弱塩基であるトリメチルアミンの0.25 M溶液の水酸化物イオン濃度、pOH、およびpHを求めます。:

Eq2

この系のICE表は以下の通りです。

(CH3)3N (aq) (CH3)3NH+ (aq) OH(aq)
初期濃度 (M) 0.25 0 ~0
濃度変化 (M) −x +x +x
平衡濃度 (M) 0.25 − x 0 + x ~0 + x

平衡濃度の項をKbの式に代入すると、

Eq3

x << 0.25と仮定し、xを解くと次のようになります。

Eq4

この値は、初期濃度(0.25)の5%以下なので、この仮定は正当です。

ICE表で定義されているように、xは水酸化物イオンの平衡濃度に等しくなります。

Eq5

The pOH is calculated to be

Eq6

Using the relation;

Eq7

permits the computation of pH:

Eq8

pHからのKbの決定

エチルアミン(C2H5NH2)の0.28 M溶液のpHが12.10の場合、そのKbはいくらでしょうか?

Eq9

エチルアミンのKb を計算するには、まずpOHと水酸化物イオン濃度を求める必要があります。pHが12.10であることから、pOHは次のように計算できます。

Eq10

pOHが1.90なので、溶液の水酸化物イオン濃度は、次の式で計算できます。

Eq11

この系におけるICE表は次の通りです。

C2H5NH2 (aq) C2H5NH3+ (aq) OH(aq)
初期濃度(M) 0.28 0 ~0
変化量(M) −0.0126 +0.0126 +0.0126
平衡濃度(M) 0.28 − 0.0126 0.0126 0.0126

0.0126Mは0.28Mの4.5%なので、0.28 −0.0126は5%ルールを用いると0.28 Mとほぼ等しいと考えることができます。

上記の値をエチルアミンのKbの式に代入してみると、

Eq12

上記の文章は下記から引用しました。 Openstax, Chemistry 2e Section 4.2: Classifying Chemical Reactions and 14.3 Relative Strengths of Acids and Bases.

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Weak BaseAmmoniaBr nsted BaseProtonHydroxide IonBase Dissociation ConstantKbAmmonium Ion ConcentrationEquilibriumPOHPHICE TableApproximationMolar

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