形質転換(transformation)とは細胞が周囲の外来DNAを取り込むプロセスのことです。ある特定のバクテリアにとって形質転換は自然現象です。分子生物学では、バクテリアの細胞壁に穴を開けることにより人為的に形質転換を誘発します。周囲からDNAを取り込み可能なバクテリア細胞はコンピテントセルと呼ばれます。実験では、バクテリア細胞が外来DNAを取り込める状態(コンピテント状態)にした後に、ヒートショック法と呼ばれる手法を利用してDNAを細胞内に導入します。
ヒートショック法を用いた形質転換では、まずプラスミドDNAとバクテリアの細胞壁間の静電反発力を中和するために塩化カルシウムを使ってカルシウムが豊富な環境を作り出します。その後急激に温度を上げることにより、バクテリアの細胞膜に穴が形成され、そこからプラスミドが細胞内に取り込まれます。このビデオでは、ケミカルコンピテントセルの調製方法、ヒートショックを用いた形質転換法、形質転換したバクテリアの播種の仕方、形質転換効率の算出法など各工程を紹介しています。
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