ニワトリ(Gallus gallus domesticus)の胚は、卵の中で発生し母鶏の体外で孵化するため、発生生物学の研究に極めて有用なモデルとして利用されます。卵の殻に穴を開けるだけで、初期発生過程の観察や実験操作が可能となります。今日では世界中で何十億羽という鶏が肉や卵など食用目的で飼育されているため、1年を通じて大量の受精鶏卵を容易にまた低コストで手に入れることができます。さらに、ニワトリとヒトの遺伝子は非常に類似しているため、ニワトリの発生に関わる遺伝子を調べることでヒトの発生メカニズムを知ることができます。
このビデオは、モデル生物としてのニワトリについて学ぶことができます。ニワトリの系統発生の概要やその他の鳥類、爬虫類、哺乳類と同じ有羊膜類に属するニワトリの特徴を解説しています。また、古代ギリシアでAristotleが胚体外膜の働きについて提唱したところから近年のノーベル賞受賞に至った神経科学研究までの長いニワトリ研究の歴史も紹介しています。さらに、発生過程の細胞の動きをin vivoで追跡する実験や血管新生による腫瘍増殖の研究など、現在進められているニワトリ胚を利用した研究を紹介しています。
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