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溶菌サイクルとは対照的に、溶菌サイクルで細菌に感染したファージは、すぐには宿主細胞を殺すことはないです。その代わりに、自分のゲノムを宿主のゲノムと結合させ、細菌が細菌のゲノムと一緒にファージのDNAを複製できるようにします。組み込まれたファージゲノムのコピーはプロファージと呼ばれます。プロファージの中には、再び活性化して溶解サイクルに入るものもあります。これはDNA損傷などの擾乱に反応して起こることが多いのだが、外部からの刺激がなくても起こることがあります。

溶原変換

場合によっては、プロファージがコードする遺伝子が、感染した細菌の表現型を変化させることがあり、これは溶原変換と呼ばれるプロセスです。ファージの中には、細菌の感染を促進する病原因子と呼ばれるタンパク質や毒素をコードしているものもあります。溶解性変換により、通常は病原性を持たない細菌が、病原性因子を持つファージに感染することで高い病原性を持つようになります。

例えば、ボツリヌス菌(Clostridium botulinum)、ジフテリア菌(Corynebacterium diphtheriae)、コレラ菌(Vibrio cholerae)の病原性には、このようなファージが大きく関与していると考えられます。これらの細菌は、溶原変換がなければ、通常は病気を引き起こすことはないです。

特によく研究されている例として、大腸菌 Escherichia coli のO157:H7株があります。大腸菌O157:H7による汚染が原因で、大規模な食品回収が行われたことがあります。このE. coli株は、腸管出血や腎不全の原因となる志賀様毒素(Stx)をコードするファージに感染しています。溶解サイクルではStxは生成されず、細菌は病気を引き起こさないです。Stxが産生されるためには、ファージが再び溶解サイクルに入る必要があります。残念ながら、ある種の抗生物質は、プロファージの誘導とそれに伴うStxの産生を引き起こす可能性があり、これらの感染症の治療を困難にしています。現在の研究では、プロファージの誘導を防ぐための新しい治療法を研究しています。

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