酵素は、反応物の活性化エネルギーを低下させることにより、反応を速めます。酵素が反応物を生成物に変える速さを反応速度と呼びます。反応速度には、利用可能な反応物の数など、いくつかの要因が影響します。酵素速度論とは、酵素が反応速度をどのように変化させるかを研究する学問です。
科学者は通常、試験管の中で一定量の酵素を用いて酵素の反応速度を研究します。一定量の酵素にさらに反応物(基質)を加えると、酵素はより多くの生成物を作ることができるため、反応速度が上がます。その結果、反応速度を基質の濃度に対してグラフ化すると、基質を増やすことで反応速度が向上します。しかし、酵素の活性部位がすべて埋まってしまうと、反応速度は頭打ちになります。この反応速度が最大となる基質濃度をVmaxと呼びます。酵素分子の数がVmaxを制限します。酵素の量を増やせばVmaxは大きくなりますが、基質を増やしても効果はないです。
反応速度対基質濃度のグラフから、酵素の速度論について他の重要な特性がわかります。反応速度がVmaxの半分になる基質濃度(すなわち、½ Vmax)をミカエリス定数(Km)といいます。Kmは、酵素と基質との親和性を表しています。Kmが低い酵素は、Vmaxに達するために必要な基質の量が少なくて済むため、基質に対する親和性が高くなります。興味深いことに、多くの酵素では、Kmの値は基質の細胞内濃度に非常に近いです。Km付近では、基質濃度のわずかな変化が反応速度に大きな影響を与えるため、細胞内の基質のわずかな変化が生物学的経路全体の機能に影響を与えることになります。
すべての酵素が、ミカエリス・メンテン式として知られる双曲線状の基質速度グラフを描くわけではありません。ミカエリス・メンテン式は、酵素が単一の基質を触媒することを前提としています。アロステリックに制御されている酵素は、複数の活性部位を持ち、反応速度を基質濃度に対してプロットすると、シグモイド型のグラフになる傾向があります。
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