偏光測定は、化学反応中の光学活性物質の濃度や反応速度を測定する化学反応速度論に応用されています。光学活性物質は、その中を通る直線偏光の偏光面を回転させる(光学回転)性質を持ち、それは物質の分子構造に起因します。通常の単色光は無偏光であり、その伝搬方向に垂直なすべての面で電界の振動を持っています。無偏光の光が偏光板を通過すると、1つの面で振動する直線偏光の光のみが出てきます。
偏光計は、光の偏光方向や光学活性物質の回転を測定する装置です。平面偏光した光を反応液の入ったチューブに導入することで、系を乱すことなく反応を追うことができます。試料に光学的に不活性な物質が含まれている場合、偏光の向きに変化はありません。分析装置の画面上では同じ強さの光が見え、回転角( ɑ)は0度となります。
しかしながら、反応したサンプルに光学活性化合物があると、通過する偏光の面が回転し、出てくる光の明るさが低下します。最大の明るさを観測するためには、分析装置の軸を時計回りまたは反時計回りに回転させる必要があります。分析装置を回転させる必要がある方向は、存在する化合物の性質によって異なります。測定された旋光度は、サンプル中に存在する光学活性物質の濃度に比例します。異なる時点で測定した回転角を分析することで、光学活性化合物の濃度を時間の関数として求めることができます。
分光測定
分光分析などの光学実験技術も、化学反応を可視化し、反応速度に関する定量的情報を確保するために頻繁に使用されます。分光測定では、特定の波長の光が反応サンプルへと照射されます。 サンプル内の分子または化合物(反応物または生成物のいずれか)はいくらかの光を吸収し、残りの透過光を検出器を用いて測定します。 吸収される光の量(吸光度)は、化合物の種類や濃度によって異なります。 たとえば、化合物の濃度が高いほど、その吸光度は大きくなるため、目的化合物の濃度決定に用いることができます。化学反応を伴う系では、定期的な間隔で測定された吸光度から、時間の関数としての反応物または生成物濃度を計算することができます。
圧力測定
気相物質を含む反応では、圧力の変化に伴う気体のモル数の変化を定量化することで、反応速度を計算することが出来ます。このために、気体状の反応物または生成物の圧力を測定できる圧力計を用います。反応が進むと、反応物の圧力が下がり、生成物の圧力が上がります。これは圧力計を用いて時間の関数として測定できます。理想気体の法則(気体の濃度はその分圧に比例する)を用いて、化学反応の速度を計算することができます。
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