結合の双極子モーメントは、いずれかの原子の部分電荷とそれらの間の距離の積です。双極子モーメントは、IR 吸収の効率とピーク強度に影響します。双極子モーメントを持つ結合が電場に置かれると、電場の方向によって結合が圧縮されるか伸張されるかが決まります。電磁放射は、急速に方向が反転する電場成分で構成されます。その結果、極性結合は交互に伸張と圧縮が行われます。
この結合の伸張と圧縮の周波数が結合の固有振動周波数と一致する場合、結合によって IR エネルギーが吸収されます。このような振動は IR 活性であると言われています。双極子モーメントがゼロの対称結合が振動すると、双極子モーメントに変化はなく、エネルギーが吸収されないことを意味します。これらの振動は IR 不活性であると見なされます。これは、C=C 伸縮振動が IR 活性で、強い吸収帯を示す非対称アルケンで明らかです。しかし、双極子モーメントがゼロの対称アルケンでは、C=C 伸縮帯は存在しません。
また、双極子モーメントの変化が大きいほど、強度の高い帯域を伴う IR 吸収が強くなります。これが、C=O 結合 (双極子モーメントが大きい) が C=C 結合 (双極子モーメントが小さい) よりも強度の高い吸収帯を示す理由です。
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