金属、半導体、絶縁体など、材料の電気伝導性にはばらつきがあり、エネルギーバンド図で示されます。
銅 (Cu)、亜鉛 (Zn)、鉛 (Pb) などの金属は抵抗率が低く、伝導帯が完全に占有されていないか、価電子帯と重なり合っているため、バンドギャップが存在しないという特徴があります。これにより、価電子帯の最高エネルギーレベルにある電子は、印加電界から最小限の運動エネルギーを得ると、伝導帯に簡単に遷移できます。その結果、充填された状態に近い利用可能な状態が多数あるため、金属は電流を容易に流すことができます。
半導体には、充填された価電子帯と空の伝導帯があり、1 eV 程度の小さなバンドギャップで区切られているため、室温で一部の価電子が熱的に伝導帯に励起されます。その結果、電荷キャリアの数が適度になり、半導体は絶縁体よりは導電性が高く、金属よりは低くなります。半導体のバンドギャップエネルギーは、シリコン (Si) では 1.12 eV、ガリウムヒ素 (GaAs) では 1.42 eV など、さまざまです。
SiO_2 などの絶縁体では、価電子帯は電子で満たされ、伝導帯は空です。絶縁体はバンドギャップが大きいため、室温では伝導帯によって価電子が励起されにくくなります。これは、絶縁体の価電子が強力な共有結合に関与しており、それを切断するにはかなりのエネルギーが必要になるためです。大きなエネルギーギャップによって、満たされた価電子帯と空の伝導帯が分離され、室温での熱エネルギーでは、このギャップを越えて電子を励起するには不十分です。その結果、伝導に利用できる電子は非常に少なく、材料は電流を効果的に伝導できません。
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