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15.19 : 分子内アルドール反応

分子内アルドール反応は、ジアルデヒド、ジケトン、ケトアルデヒドなどのジカルボニル化合物で起こります。 ジカルボニル化合物は、塩基が脱プロトン化してエノラートを形成するための求核性 ⍺ 炭素を 1 つ以上持っています。 たとえば、対称ジケトンには 4 つの ⍺ 炭素があります。 したがって、塩基で処理すると 4 種類のエノラートが可能になります。 ただし、分子は対称であるため、一方のカルボニル基の両側に形成されるエノラートは、もう一方のカルボニル基の両側に形成されるエノラートと同等です。 これは図 1 に示されており、炭素 1 に由来するエノラートは 6 に相当し、炭素 3 は 4 に相当し、その結果、2 つの異なる分子内求核攻撃が発生する可能性があります

Figure1

図1. 対称ジケトンの考えられるエノラート

図2 に示すように、分子内求核攻撃には 2 つの可能性があります。 炭素 1 で形成されたエノラートによるカルボニル炭素 5 への攻撃により、安定な 5 員環が生成されます。 対照的に、炭素 4 で形成されたエノラートによるカルボニル炭素 2 への攻撃により、3 員環が生成されます。 3 員環が緊張すると、前者の分子内攻撃が優勢となって環状 5 員アルドール生成物が形成され、その後脱水されて不飽和環状生成物が生成されます。

Figure2

図2. ジケトン分子における 2 つの可能な分子内求核攻撃

一端にアルデヒド基、もう一端にケトン基を持つケトアルデヒドでは、アルキル基の正の誘導効果により、ケトン基の電気陽性性がアルデヒドよりも低くなります。 したがって、図3に示すように、ケトンカルボニル基の隣に形成されたエノラートがアルデヒドカルボニル基を攻撃して、安定した6員環生成物を形成します。

Figure3

図3. ケトアルデヒド分子の分子内攻撃

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Intramolecular Aldol ReactionDicarbonyl CompoundsEnolatesSymmetrical DiketonesFive membered RingThree membered RingKetoaldehydesSix membered Cyclic Product

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